「RockPath」カテゴリーアーカイブ

セト甌穴「閻魔堂」

ある春の日、ふと見つけた岩壁。
度々通っていたが川岸に在るためずっと気付かずにいた。

全容を見たかったが陸からは見えず。
対岸に渡るか真下にまわり込む必要があり、この日は諦める。

暑い日にやろうと決め道に戻る。


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6月2日

季節は進みprojectも進展がなくなった。

昼過ぎ、山奥はまだ寒く気合を入れて川の中へ。

壁際を進むと、ちょうど真下に畳2枚分ほどのスペースが。シューズを履くのに丁度良い。薄々気付いていたがやはりその壁は圧倒的、予想を凌駕する強傾斜。

全く登れるイメージが湧かない。


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とりあえずリップから隈無くラインを探る。
良いイメージは湧かない、随分と長い時間佇んだ。

 

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一番端の凹角を登った。

セトレイバック 5.10b

登った直後は充実感に満たされるも、すぐに強度的物足りなさも感じだし、再び川へ。

壁を見上げる。
やっぱり中央が格好良い。

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最上部にガバはあるが距離がやばい。
中間部はブランクかもしれない。
ホールドに見えるシワはホールドなのか?

下部に関してはロープで下がったとて傾斜が強すぎ確認できないだろう。
着地できる気もしないのでクライムダウンできる範囲で探ることに。

シューズを履きいざ。

3手ほど進みクライムダウン。
ホールドかどうか怪しかったシワは全てホールドできた。

4手目以降はダイナミックになるので
やるならやらねばと。

久々に随分と長い時間悩んだ。

 

閻魔堂 初登

登れて終えば極めて良いライン。
壁のど真ん中、moveもかなり良い。
周囲の高圧的空間を含め素晴らしい課題だと思う。

 

流石にやりきった。まだ壁は左に広がるが、夏に残し撤収を決めた。

最初の谷の巨石

由布岳西口
美しい高原の脇のコンクリート道路を15分ほど登れば岩が見える。
最初の谷のボルダー群。

細かい岩は高校卒業間際に粗方登った。昨年秋にはいくつかの巨石に取り付く。

5月16日
帰省の合間に立ち寄る。

最初の谷のシンボルとなる巨石、その中央の一番高いラインをやる。前回は上部の脆さと植生にビビり敗退。今回は掃除道具を持ってきた。

ざっと掃除し、いざ。


ビビりから中々moveを決めきれずにいたが意を決す。そして突破しトップアウト。

「Noir 」
グレードはつけないが極めて良いライン。上部は選択を誤るとかなり脆いのでホールドを破壊せぬように登ってほしい。

裏面のハング。

スッキリとしすぎた面にうっすらとホールドの在る右側。
前回サクッとできた下部が悪い。ヒナタとのセッションでテンション高めだったせいか?今回はまずリップ掃除。その後下部で苦戦したもののコツを掴んだところで完登。

「矜持 v10」

ガチャついて保持しにくく薄いカチからダイナミックに動く。


最後に、左へのトラバースを。
手数は多く保持もそこそこ悪いが、難しいmoveはなくむしろこちらが弱点になるだろう。

「魔女の月 v9」

高原の狭間を吹き抜ける風が冷たく気持ち良かった。

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projectやこれ以外のラインを登った際はご一報くださいませ。また小さな石も学生時代粗方登ったけれど、何か登れば是非とも共有したいので教えてもらえたら幸いです。

PANDORA

2014年のとある日
天井高相当に広がるルーフ、背中から落ちる恐怖に勝てずそっと敗退した。

圧倒的な格好良さを前に太刀打ち出来ない歯痒さもあり、記憶の奥底に仕舞い込み再び見上げることはなかった。

 

2022年4月28日

春先にmoveが出来たprojectは濡れていた。ここ数日雨は降っていなかった。
山は湿気を帯びている。もうそういう時期なんだろう。

ハードなトライは諦め、再びあのルーフを見上げることにした。

炎天下の藪漕ぎ。

藪を抜けるといきなり現れた巨大なルーフ。相変わらず格好良い、改めて見てみても記憶通りの威圧感。最高だ。今なら怯まず対峙出来る。

少し休憩したところで着手。思えば脆い岩にも慣れた。今なら可能性は満ちたりている。
落下姿勢を慣らす意味で左カンテをまず登る。


「匣の世界」
v9程度だろうか。

 

さて、本題はルーフ中央。

すでに満足はし、中央はこのまま取って置きたくともあった。
休憩のち結局やる。

真っ向勝負の気持ち良いmove。想像通りしっかりとした強度。がっつり中央の弱点。最高の時間だった。


Pandora v10(三段)

かつて超えられない壁を感じそっと蓋をしたもの、いつのまにか壁は消えていた。いつのまにかでも成長はするんだと。余韻に浸った後、少し早めの撤収を決めた。

針の耳

相変わらず美しいハレルヤ。
2019年初登

ニライカナイ以降も魅力的な岩を登ってきた。
近年ではロマンティカなどよだかの巨石を除けば、ハレルヤは最も素敵な岩の一つだと思う。

5月2日

案内した際久々に見上げた。トライを眺めている間、周囲のprojectやハレルヤをやってみたが流石の3年、自身の上達を感じた。

いくつかのprojectでは出来なかったmoveも解決。楽しすぎる。

調子に乗り5月6日再訪

岩は若干しっとり気味、前回出来ていたことが嘘のように出来ず。前回調子が良かったのか今回コンディションが悪いのか?

テンション下がり気味でいたら雨も降り出した。仕方なく3時間ほど練習しボロボロになったところで、近くのワイドクラックを登り〆た。

針の耳 グレードはよくわからない。5.10cくらいか?
山が湿気を帯びだした。もう時期梅雨だ。

2/21superJET

傾斜の強い一枚岩。
そのど真ん中に垂れたポケットを地ジャンで狙う。そしてリップへランジ。

「ジェット v10 三段」2015年初登

岩も動きもラインも良く結構気に入っていた一本なのだが、もう時期破壊される可能性が出てきた。

2020年豪雨の際に周囲の道路が崩壊し、その護岸工事のため現在河原に重機が出入りしている。破壊されたいくつもの巨石を見てきたのでどうも不安になる。

実はprojectもあった。

中央の垂れたポケットの下にエグい小さなポケットが2つ。ロースタートができるのではないだろうか?ジェット初登時も取り付きはしたが離陸で精一杯。

あれから随分経った。今ならどうか?ポケット耐性は増している、破壊される前にやらねば。

冬、機を探しながら過ごした。
日中は工事につき立ち寄れる感じではない。ナイトを狙う。

 

2月21日

岩場帰りの夕方、その日の工事はすでに終わっていた。いつもより少し早い。指皮、体力はまだ残っている。立ち寄ることを決めた。

初めはまだ陽があったもののアプローチに時間がかかり、結局岩は闇の中。

久々に対峙するポケット群
少し心配だったが指の収まりも良く、触った瞬間これは登れると感じた。

案の定サクッと離陸できmoveも起こせ直ぐにたるいポケットも捕らえた。問題はそこから。リップへのランジが怖すぎる。ナイトにつき落下中に下が確認できない。

不安を感じながらトライを続ける。

数トライ目、リップに指がかかるがかなり浅い。落ちるかと思ったが何とか振られをいなし身を残す。

「superJET v11」

滞在時間30分ほど。時間の割に充実したクライミングが出来た。

JetもsuperJETも極めて良い課題だと思う。消滅する可能性を恐れて勝負を急いだが、護岸工事の様子を見る限り影響はないようにも見える。

何とか残って欲しいがどうか?