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黒い風Direct project

国津神v10を登った日の夕方、黒い風の岩を見上げた。

かつてブランクを感じた中間部、相変わらず悪そうだがそもそもリップまでとべそうな気がした。少しだけやってみるも、とぶ勇気なくこの日は撤退。


3月18日
意を決してとびにきた。アップし、着地練習も済ませ、いざ本気でとばん。
1便目、いきなりとび出し前のサイドガバホールド欠損…

仕方なく刻む事に。どう考えても向きの悪い、ハング中央のアンダー。親指ガスでとめに。ここは辛うじて成功。その後ボディテンションムーブにて右手もあげる、ここもかなりきついが出来た。

予定より2手増えたがこれでとべる。今日はもうその勇気は残っていなかったにのここまでを自動化して終了。

櫓フェイス

3/5 夜
栗崎が櫓フェイスのprojectをやっているということで閉店後合流。

ターゲットを中央に絞ったようだ。私はカンテのラインをやる。

昨年末に栗崎が見つけたこの岩、弱点はあるもののイマイチラインを定めにくい。
栗崎が何日か通いラインを絞りきり今に至る。それまでも何度かキーホールドが欠損、今後も暫く欠けるかもしれない。この周辺は岩質は悪くないのだが表面がパラパラしておりまだまだ安定する気はしない。

1時間程度で指皮終了、粗方フェイス面のMoveはわかった。v10あたりだろうか?

3/14
一つの妥協をした。リップより先が未知数、というよりホールドが見えない。掃除は不要だがロープで確認することにした。

予想通り顕著なホールドはなかった。成っているとは思うがかなりやばく感じた。右と左に可能性、リスクのないのは右だが…
堪らずリハーサルをしてしまった。一回だけ成功、そこそこ難しい。かためておこうかとも思ったが、ここでやめた。
ロープを片付けフェイス部をやる。

この日核心の一手は度々成功したが、結局その繋ぎの細かい一手が出来ぬまま指皮が裂けた。
もしかしたら見込みより大幅に悪いのかもしれない。

ハンナ、突然に

3月9日 日暮れ前、目的の岩の前に立った。

相変わらず格好良い岩だ。
ずっと憧れているハング右ラインは相変わらず悪そうだ。左側のハングから左スラブにエスケープする「久遠」のダイレクトも数年前ホールドが吹っ飛び相当悪くなった。

ひとまず久遠ダイレクトpをやる。夜にもつれこむ事必至、ということでナイトの準備後トライ開始。

何便かして、このラインと右の憧れを組み合わせて登ることこそ自然かつ顕著な弱点ではないかと思えてきた。
届かないと思っていたホールド達。二本のライン上にあるそれらホールド達はフルスパンでギリギリ届きそうな配列。

早速試し可能性を感じた。攻める。

予想は的中し、ラインは明らかに成っていた。上部はそれこそ顕著な弱点はなく形状を騙し騙し登ることになる。明瞭なmoveが存在せず、高度もある。ということでかなり怖い。

登っては跳びおりを何度か繰り返し、イメージは出来た。いざ突っ込む。
こういう課題は1便で決めたい、決めたかった。
最上部のキーとなる一手でフットホールドがぐらついた気がした。万が一の着地に備え上体を倒さず(乗り込まず)ロックして突破することに。保持感がかなり悪くなったがその一手は成功した。

気は抜けない、次の一手も集中。その時、案の定フットホールドが吹っ飛び落ちる。
落下距離こそ長かったが備えていたのでそこまでの恐怖心はなかった。

若干気は逸れたが整えてやり直し。ちなみそもそも下部もそれなりに悪く暫くはまってしまった。

何便かして上部に入れた。最上部、リップに突入。狙いをつけていたポイントが思ったよりも悪く少し焦ってしまった。すぐに突破したいという思いから一気に足上げ。
指先の効きがさらに悪くなる。一瞬空間に放り出されそうになったが保持に頼り、こらえることができた。マントルを返しトップアウト。。。

Hanna ungraded
マジで危なかった。。。たまたま上手くいったがすっぽ抜けていたら正直着地できた自信はない、今回は運が良かった。

〜登ることに集中し過去を振り返る余裕はなかったが、思えばこの岩を見上げてはじめてから10数年が過ぎた。ずっと憧れていたラインが登れたわけだが、登る力が向上したというよりは見る力がついたように思う。これも経験値、か。
登れてみると一瞬だが、踠いたり描いたりしていた時間は長い。その長き日をたまに思え出せたら良いなと思う。

撤収。

シバフェイス「暗ノ証」

3月9日
大分での仕事を無事終え、行きたい岩はあったものの少しだけ仕事の余韻に浸る。

目的の岩は取り付けるかどうかわからなかった。というのもその岩は由布山麓にある。

本来なら由布山麓周辺の野焼きは3月頭、ただ先日前を通った際由布の高原は枯れた植物に覆われていた。延期になったのであろう。予想なら丁度この日に野焼きが行われる。もしそうなら入山不可能。

17時、現地到着。やはり野焼きをしていた。幸い目的のエリアは綺麗に終わっており、空気中に舞う灰が出迎えてくれた。黒くなった大地に熱が残る。ただそれもアプローチシューズのゴムを溶かすほどのものではなかった。

目的の岩、10代の頃から焦がれていた岩にはいかず。

シバフェイスに行くことに。いつもならこの岩、藪に覆われ発見困難。野焼き直後なら簡単にアプローチできるのではないかと急遽予定を変更した。可能性があったがどうかすら覚えていないままの強行。

久々に見たその岩はとても魅力的であった。2002年あたり、たまに一緒に登っていたシバさんから教えてもらった岩。中央のシバフェイス以外どこを登ったか全く記憶になかったが、左側がprojectであることは明らかであった。

2度ほどホールドが欠けるがそれで落ち着く。中間部に一切ホールドが存在しない、かつてここで諦めたのであろう。鏡のような岩だと話した記憶がある。きっとこのラインの事だ。

今はどうか?

跳べさえすればリップ手前のカチは持てそうな気がする。ただ跳び出しが異常に悪い。腰から下はややハング、胸から上がややスラブに…空間を作りにくい。直感的に試したmoveがヒットした。

あとは打ち込むだけだ。

暫く跳び続け、きっちりカチを捉えた。リップ付近が微妙に気持ち悪く一回跳び下りる。コツはつかんだのでもう大丈夫。岩の上にまわり、リップ付近を確認。あまり良くないことがわかったが次の便で登りきった。

初登だと思う。名はとあるmoveの和名をもじって
「暗ノ証(ヤミノアカシ)」
グレードは、同系統河頭山のラウンドヘッドオーバーの左のランジ課題より丁度1つ分難しいのでそれをv8とするならこちらはv9(二段)だと思う。

まさかこんな素晴らしい課題を登れると思っていなかった。にせよ日暮れまで時間がある。せっかくなので目的の岩も少しだけ触って帰ることにした。

(続)
※ちなみに帰ってトポを確認、やはり初段以上のprojectになっていた。

佐賀キッズと岩へ

2月のとある日、佐賀の子ども達や保護者の方々と岩へ。
内容は、完全に任せてくれたので私の思考そのままを。

この日は”登る”ことについての話は殆どぜせず、
よって技や体の話はほぼなし。

岩場のマナーについても必要最低限。
(何故ならきっと大人たちに連れて行ってもらうことの方が多いだろうから)

終始取り組み方や意識(心)の話、うまく行動で。

どの岩なら登れそうか?
危なくないか?
どれが自分にとって楽しそうか?

自分で決める。
(もちろん何を言わずとも補正するためにみんなの行動を徹底観察、いたずら坊主が混ざっていたので大ごとだった。賢い子らだかた指示を出した方がはるかに楽。)

どこに落ちそうか?
どこに落ちたらやばいか?
着地の仕方は?

それも考える。

慣れてきたら、登りたい岩と課題の照合。

やらせたらきっとそれなりに難しい課題も登るのだろう。でも今はいいかな、と。
それ以上に「登る」こと以外にも興味が湧くと最高かなと思った。

岩は大体が山や海や川の脇に在る。
色々な運動を高度に行うことで身体の扱いも上手くなる。子どもらにとって今はかけがえのない時期だ、発達においてはじまりはいつも自らが興味を持つことからだと思う。

色々なことに興味を持ってもらえたらいいかなと思った。と、私が言わずともいたずら坊主のみは積極的に暴れていたが。。。


⬆︎モト air pocket v7/初段

短い時間ではあったがみんなワチャワチャ楽しそうな光景を見ることができて良かった。

(大人も隙間時間に登っていた。)